校長あいさつ

校長挨拶

PRESIDENT'S ADDRESS

 松江工業高等専門学校は1964年、機械工学科、電気工学科、土木工学科の3つの学科を有する国立高専として創設されました。高専は5年間一貫教育の工学教育を行う実践的技術者養成機関として、1961年6月に学校教育法の一部改正により創設された教育機関で、以来、職業に必要な実践的かつ専門的な知識及び技術を有する創造的な人材育成を行う高等教育機関として歩んできました。本校も高専の歴史とともに歩み続け、現在は、機械工学科、電気情報工学科、電子制御工学科、情報工学科、環境・建設工学科の2学科に発展した5年制の本科と、生産・建設システム工学専攻、電子情報システム工学専攻を有する2年制の専攻科を置き、毎年約220名の卒業生と修了生、総計約9千名を社会に送り出しています。

 本校の教育は、教育理念である「創造性と実践的技術力を兼ね備えた国際的エンジニア」を目指すもので、この理念に基づいた教育目標である「(ま)学んで (つ)創れる (え)エンジニア」を合言葉にして取り組んでいます。また、これらの理念、目標達成に向け、教職員の力量を高め学校全体の教育力を向上させる教育研究活動や、教育研究成果の地域社会の還元等の社会連携にも取り組んでいます。高専は、大学や高校とは異なり、多感な15歳から大学学部相当の22歳まで、学生が成長するための様々な人との出会いや機会があります。これらの環境を活かしつつ、主体的に飛躍する力を涵養するため、日々の生活から課外活動、ゼミ・卒業研究までも、教職員が一体となって学生に寄り添う全人教育を実施しています。

校長  和田 清

 

 本校の学生は、高専での特色ある学生生活を送ります。これらの学びを活かして努力し、全国規模で開催される高専ロボットコンテスト、高専プログラミングコンテスト、高専デザインコンペティションの他、GCON、レスキューロボットコンテストなどでも多くの成果を出しています。また、クラブ活動も盛んで、高専初の2021年春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)出場や、東大王クイズ甲子園2022(優勝)などの他、全国高専体育大会(2023年度:剣道部団体2連覇、卓球部団体優勝など)で文武両道を兼ね備えた数多くの学生が活躍しています。

 

 2023年度は、新たに文部科学省のスタートアップ教育環境整備事業として「松江高専起業家育成エコシステム」を始動させ、社会課題解決に取り組む学生の活動を後押しし、地域活性化への進展を目指してきました。また、グローバルコンピテンシーを備えたエンジニア育成も充実させ、学生の海外研修旅行(韓国、ハワイ、オーストラリア、ドイツなど)、国際シンポジウムであるISATE2023(第16回国際工学教育研究集会、約150名参加)を本校が担当校となり松江市で開催しました。さらに、早期STEAM教育では、小中学生への科学技術、数学・理科の関心を醸成し、社会人のリカレント教育、産業DX・建設DXも積極的に進めています。これらの取組により、本校の特色や強みを活かして、より世の中に役立つことやwell-beingを意識した「ものづくり」「ことづくり」の教育を推進させます。


 本校章は、島根県の県木「黒松」をモチーフとし、中心に置かれた高専の文字から若芽が三方に伸びて、さらに大きく成長しようとする力強さを表したものです。この思いと共に、2024年の本校創立60周年の節目に、技術、デザイン、起業家精神を三位一体として本校を学び創造する場にし、地域を支え地域に支えられる高専として尽力してまいります。皆様からのご支援ご協力をよろしくお願いします。